40代デスクワーク腰痛|腰痛時に避けるべき筋トレと正しい始め方

腰が痛いから、腹筋を始めた。

それなのに、なぜか違和感が増した。

そんな経験はありませんか?

「腰痛には筋トレがいい」

それは間違いではありません。ただし問題は、“いつやるか”です。

40代のデスクワーク腰痛は、筋力不足だけが原因ではありません。多くは、固まりや姿勢の偏りが積み重なった状態です。

そのまま負荷をかけると、身体は守ろうとしてさらに緊張します。

結果、「鍛えているのに楽にならない」という矛盾が起きます。

筋トレは必要です。

ただし、大切なのは“段階”です。

この記事では、腰痛時に避けたい筋トレとその理由、そして痛みが落ち着いてから始める正しい順番を、作業療法士の視点で整理します。

なぜ痛みがある時に筋トレすると悪化しやすいのか?

「腰痛=筋力不足」と考え、痛みがある状態で腹筋運動や背筋運動を始める人は少なくありません。

しかし、痛みが出ている時期の身体は、すでに“防御モード”に入っています。

筋肉は痛みから守るために無意識に緊張します。
これを防御性収縮といいます。

この状態でさらに負荷をかけると、どうなるか。

筋肉はもっと硬くなり、動きはさらに小さくなります。

結果として、

・血流が悪化
・可動域が低下
・圧が一点に集中

という悪循環が起きやすくなります。


痛みがある時は「安定性」より「過緊張」が問題

本来、腰部を支えるのは腹横筋や多裂筋といった深層筋です。

しかし痛みがある状態では、これらの筋肉がうまく働かず、代わりに腹直筋や脊柱起立筋といった表層筋が過剰に働きやすくなります。

いわゆる“力みやすい状態”です。

この状態で一般的な腹筋運動を行うと、さらに表層筋優位になり、

「安定する」のではなく
固まる方向に進んでしまうことがあります。


痛みは身体からのブレーキサイン

痛みは「動くな」というサインではありません。

しかし「今は強い負荷をかけるな」というブレーキであることが多いです。

痛みを我慢してトレーニングを続けると、身体はさらに防御を強めます。

結果として、

“鍛えているのに、動きにくくなる”

という矛盾が起こります。


では、筋トレは不要なのか?

答えはNOです。

腰部周囲の筋肉は、再発予防のために重要です。

ただし順番があります。

まずは、

・固まりをゆるめる
・血流を戻す
・骨盤の動きを取り戻す

そのうえで、低負荷から安定化を始める。

この流れを守るだけで、効果は大きく変わります。

具体的な“ゆるめる方法”については
40代デスクワーク腰痛に効く簡単ストレッチ5選|座りすぎ対策

腰痛のフェーズを整理する|“やる順番”が重要

腰痛対策で一番大事なのは、
何をやるかよりも、いつやるかです。

同じ腹筋運動でも、
タイミングを間違えると逆効果になります。

ここでは、デスクワーク腰痛を大きく2つのフェーズに分けて整理します。


フェーズ1:痛みが強い・違和感がはっきりある時期

特徴はこうです。

・立ち上がる瞬間がつらい
・前屈や反る動きで痛む
・夕方になると重だるい
・腰の存在感が強い

この時期の身体は、すでに防御収縮が強まっています。

筋肉は「守る」ために緊張している状態です。

ここで無理に負荷をかけると、
さらに緊張が強まる可能性があります。

このフェーズで優先するのは、

✔ 固まった筋肉をゆるめる
✔ 血流を戻す
✔ 同じ姿勢を続けない

具体的には、

・こまめに立つ
40代は何分ごとに立つべき?座りすぎによる腰痛を防ぐ頻度の目安

・お尻や股関節をゆるめる
40代デスクワーク腰痛に効く簡単ストレッチ5選|座りすぎ対策

まずは“整える”ことが先です。


フェーズ2:痛みが落ち着き、違和感が軽くなった時期

特徴は、

・動き出しの痛みが減ってきた
・日常生活はほぼ問題ない
・違和感はあるが我慢できるレベル

この段階になって、初めて「安定化」を考えます。

ここで行うのは、

強い腹筋運動ではありません。

まずは、

✔ 呼吸と腹横筋の意識
✔ 骨盤を中間位で保つ練習
✔ 低負荷での体幹安定

いわゆる“インナーマッスルの再教育”です。

ここを飛ばしていきなり腹筋回数を増やすと、
また表層筋優位に戻ってしまいます。


大事なのは「可動性 → 安定性」の順番

痛みがある時期は、
多くの場合“動きが硬い”状態です。

硬いまま支えようとすると、
さらに負担が増えます。

だから、

① ゆるめて動きを取り戻す
② その上で安定させる

この順番。

筋トレは②の段階で初めて意味を持ちます。

腰痛時に避けたい筋トレ例

ここで大事なのは、

「筋トレ=悪」ではないという前提です。

問題なのは、
痛みがある時期に“強い負荷”をかけること。

代表的な例を挙げます。


① 反動を使った腹筋運動(いわゆる上体起こし)

仰向けで膝を立て、上体を起こす腹筋。

学生時代から慣れ親しんだ動きですが、腰痛時には注意が必要です。

この動きでは、

・腹直筋(表層)優位になりやすい
・腰椎が屈曲と伸展を繰り返す
・勢いをつけると負担が増す

特に反動を使うと、
腰椎にかかる圧は大きくなります。

痛みがある時期にはおすすめできません。


② 痛みを我慢したプランク

体幹トレーニングとして有名なプランク。

本来は良い種目です。

しかし、痛みが残っている段階で行うと、

・腹横筋ではなく腹直筋で支える
・腰を反らして別の筋肉で支える“代わりの動き(代償動作)”になる
・過緊張が強まる

という状態になりやすい。

「震えている=効いている」ではありません。

痛みが出るなら、まだ早いというサインです。


③ 重い負荷のスクワット

スクワット自体は悪い運動ではありません。

問題は、

・フォームが崩れている
・骨盤が後傾したまま行う
・違和感を我慢して回数をこなす

といったケースです。

腰部の安定が不十分なまま高負荷をかけると、
支える筋肉よりも“逃げる動き”が優位になって痛みを増長する可能性があります。


④ 腰を反らせる背筋運動

うつ伏せで上体を反らす運動も注意が必要です。

すでに腰椎が過伸展傾向にある場合、
さらに反らせることで圧が集中します。

「背筋を鍛える=反らす」ではありません。

安定させることと、反らすことは別です。


共通点は「強さ」ではなく「タイミング」

これらに共通しているのは、

負荷そのものよりも、
タイミングと身体の状態です。

痛みが残っている段階では、

身体はまだ“守り”の状態。

その上に強い負荷を重ねても、
うまく機能しません。

まずは、

・可動性を取り戻す
・緊張をゆるめる
・姿勢を整える

その土台ができてから、
安定化トレーニングへ進むのが理想です。

正しい始め方|再発を防ぐための体幹トレーニングの順番

ここまで読んで、

「じゃあ筋トレはいつ始めればいいの?」

そう思ったかもしれません。

答えはシンプルです。

痛みがゼロ、もしくはほぼ気にならない状態になってから。

そして、いきなり回数を増やすのではなく、
“支え方を覚える”ところから始めます。


① まずは呼吸と腹横筋の意識から

腰部を安定させるうえで重要なのは、腹横筋というお腹の奥の筋肉です。

いわゆる「インナーマッスル」と呼ばれる部分です。

しかし多くの人は、腹筋運動をすると腹直筋(いわゆるシックスパックの筋肉)ばかりを使いがちです。

そこでまず行うのが、

呼吸と腹横筋の連動練習。

やり方はシンプルです。

仰向けで膝を立て、
ゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませる。

このとき、

✔ お腹の奥が薄くなる感覚
✔ 腰が反らない
✔ 痛みが出ない

この3つがポイントです。

回数は10秒キープを数回で十分。

“きつさ”よりも“コントロール”が目的です。


② 骨盤を中間位で保つ練習

次に大事なのは、骨盤を極端に前にも後ろにも倒さない「中間の位置」で保つことです。

腰痛のある人は、

・反りすぎ(腰が緊張しやすい)
・丸まりすぎ(骨盤が後ろに倒れている)

どちらかに偏っていることが多いです。

では、どうやって中間を見つけるのかを解説します。


▶ 座ったままでできる中間位チェック

まず、椅子に浅く腰掛けます。

① わざと背中を丸めてみる(骨盤後傾)
② 次に胸を張り、腰を反らせてみる(骨盤前傾)
③ その“真ん中”を探す

ちょうど、

✔ 腰に力みがない
✔ お腹が軽く入る
✔ 太ももに均等に体重が乗る

その位置が中間位です。

ここで軽く腹横筋を意識する。

といっても、強くお腹に力を入れる必要はありません。

イメージは、

お腹をへこませるというより、薄くする感覚。

息をゆっくり吐きながら、
お腹まわりがふわっと内側に集まるような感じです。

ポイントは3つです。

✔ 力まない
✔ 呼吸を止めない
✔ お腹を固めすぎない

お腹を「ガチッ」と固めるのではなく、
コルセットを軽く締めるようなイメージです。

外から見てもほとんど分からないくらいで十分。

その状態で骨盤の中間位を保てれば、
腹横筋はしっかり働いています。

これだけでも、立派な体幹トレーニングになります。

よくある間違い|腹横筋を意識しているつもりが…

腹横筋を意識しようとして、逆に力みすぎてしまう人は少なくありません。

よくあるのが、次の3つです。


① お腹を強くへこませすぎる

「へこませる」と聞くと、思いきり引っ込めようとしてしまいます。

すると、腹横筋ではなく腹直筋(いわゆる表面の腹筋)が強く働きやすくなります。

お腹がカチカチになるのは、やりすぎのサイン。

あくまで“薄くする”程度で十分です。


② 呼吸を止めてしまう

力を入れると、無意識に息を止めてしまうことがあります。

しかし呼吸が止まると、腹圧(お腹の内側の圧力)は安定せず、体幹のコントロールも不十分になります。

ポイントは、

ゆっくり息を吐きながら行うこと。

呼吸が続いていれば、過度な力みは起きにくくなります。


③ 胸や肩に力が入る

お腹を意識しようとすると、胸や肩まで力が入る人もいます。

肩が上がる、首が緊張する。

これは“全身で固めている”状態です。

腹横筋は、目立たない筋肉です。

外から見て分からないくらいでちょうどいい。


目安は「8割の軽さ」

強くやる必要はありません。

むしろ、

「これで効いているのかな?」と感じるくらいが適切です。

腰が楽に支えられる感覚があれば、それで十分。

筋トレは、追い込むことよりも
正しく使える状態を作ることが先です。

これらを避けられれば、次の段階へ進む準備が整います。


③ 低負荷から段階的に

呼吸と安定ができてから、

・短時間のプランク(痛みゼロが前提)
・軽いスクワット
・四つ這いでの対角線挙上(バードドッグ)

などに進みます。

ここでも大事なのは、

回数よりフォーム。

震えるほど追い込む必要はありません。

違和感が出るなら、まだ早いというサインです。


筋トレは「強くする」より「安定させる」

40代のデスクワーク腰痛で重要なのは、

筋肉を大きくすることではなく、
“正しく働かせること”です。

そのためには、

① 硬さをゆるめる
② 動きを取り戻す
③ 低負荷で安定させる

この順番。

固まったまま鍛えると、
また同じ場所に負担が戻ります。


まとめ|鍛える前に整える

腰痛があると、

「何かしなきゃ」と焦ります。

でも大切なのは、順番です。

痛みがある時期は、
無理な筋トレよりも“整えること”を優先する。

痛みが落ち着いてから、
ゆっくり安定化へ進む。

ストレッチで土台を作ることが、遠回りのようで一番近道です。
40代デスクワーク腰痛に効く簡単ストレッチ5選

腰痛は、気合いで乗り越えるものではありません。

強くする前に、整える。

その段階を踏むだけで、腰への負担は確実に変わります。

焦らず、順を追って整えていくこと。

それが、再発を防ぐいちばん確実な近道です。

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