若い頃は、少し寝れば自然と回復していた。
でも今は、ちゃんと寝たはずなのに疲れが抜けない。
睡眠時間は確保している。
それなのに、朝から体が重い。
「なぜ、こんなに回復しなくなったんだろう?」
そう感じることはありませんか?
それは「寝不足」ではなく、
回復できない体の構造が関係しているかもしれません。
ここでは、
なぜ40代になると疲れが抜けきらなくなるのか。
「神経」と「体の支え方」という2つの視点から整理していきます。
40代の睡眠が浅くなる3つの理由
40代になると、体の回復システムには少しずつ変化が起きます。
それは感覚の問題ではなく、体の仕組みによるものです。
ここでは、回復が落ちる背景にある3つの変化を整理します。
① 深い睡眠の時間が減っていく
睡眠には「浅い眠り」と「深い眠り」があります。
体を本当に回復させているのは、
この“深い睡眠(深睡眠)”の時間です。
しかし、研究では
40代以降は深い睡眠の時間が約20%ほど減少すると報告されています。
つまり、
・寝ている時間は同じ
・でも、回復に使える時間は減っている
という状態が起きている可能性があります。
「最近、疲れが抜けにくい」と感じるのは、
体がサボっているのではなく、
回復の“量”が自然に減っているからかもしれません。
② 回復ホルモンの分泌が落ちてくる
深い睡眠の時間に多く分泌されるのが、成長ホルモンです。
成長ホルモンというと、
「成長期にたくさん出るホルモン」というイメージがあるかもしれません。
でも大人にとっては、
・筋肉の修復
・疲労回復
・細胞の再生
に関わる、とても大切な回復ホルモンです。
この分泌量も、年齢とともに少しずつ減っていきます。
若い頃と同じ生活をしていても、
同じだけ回復できない。
これは“根性”や“気合い”の問題ではありません。
体の仕組みの問題です。
③ 回復より「消耗」が上回る生活
もうひとつ大きいのが、生活の質です。
40代は
・仕事の責任が増える
・考えることが多い
・ストレスが蓄積しやすい
という年代でもあります。
特にデスクワーク中心の生活では、
体は動いていなくても、脳はずっと緊張状態にあります。
その結果、
「回復する時間」よりも
「消耗する時間」の方が長くなっていることがあります。
40代の睡眠が浅く感じるのは、
・深睡眠の減少
・回復ホルモンの低下
・消耗が上回る生活
という“構造的な変化”が重なっているからです。
だからこそ、必要なのは
睡眠時間を増やすことではなく、回復できる構造を整えることです。
次に、デスクワークがどう神経に影響しているのかを見ていきます。
デスクワークは“夜まで緊張”を引きずる
デスクワーク中心の生活は、一見すると「体はラク」に思えるかもしれません。
でも実際には、体と脳は長時間“軽い緊張状態”を続けています。
特に影響を受けやすいのが、自律神経のバランスです。
① 座っているだけでも、体や神経は緊張している
長時間座っていると、
・首や肩はわずかに力が入り続ける
・腰回りの筋肉も支え続ける
・画面に集中し、目と脳は休まらない
大きく動いていないだけで、体や神経は細かい緊張をずっと続けています。
この状態が何時間も積み重なると、
体は“活動モード”から抜けにくくなります。
② ブルーライトは「眠るスイッチ」を弱める
パソコンやスマートフォンから出る光は、脳に「まだ昼間だ」と錯覚させます。
たとえば、
・布団に入ってからスマホを見る
・寝る直前までパソコン作業をする
・明るい部屋のまま動画を見る
こうした行動は、神経を活動モードに保ちやすくなります。
ブルーライトは、眠りを促すホルモン(メラトニン)の分泌を抑えることがわかっています。
強い光を浴びると、メラトニン分泌は約20〜30%抑制されるという報告もあります。
体は横になっていても、神経はまだ活動モード。
これでは、深く回復する準備が整いません。
③ 活動モードが抜けないまま夜を迎える
自律神経には、
・活動モード(交感神経)
・リラックスモード(副交感神経)
の2つがあります。
本来は夜になると、自然とリラックスモードへ切り替わります。
しかし、日中ずっと緊張状態が続いていると、その切り替えがうまくいきません。
体は横になっていても、神経はまだ活動モードのまま。
この状態では、深く回復する準備が整わないのです。
デスクワークは、見えにくい形で神経を緊張させ続けます。
その結果、
「ちゃんと寝ているのに、回復しない」
という状態が起こりやすくなります。
神経が整わないまま眠ると、体では何が起きているのか?
神経が活動モードのままだと、
・深い睡眠に入りにくい
・筋肉がゆるみきらない
・寝返りが減る
という変化が起こります。
寝返りが減ると、首や肩、そして腰の同じ部分に圧がかかり続けます。
とくに腰は体の中心で体重を受けやすいため、朝の重さや違和感につながりやすい部位です。
では、どうすれば神経は整うのでしょうか。
実は、特別なことをしなくても、
日常の中でできる対策があります。
まずは、ここから整えていきましょう。
まず整えるのは神経(今日からできること)
神経が整わないままでは、
どんな環境で寝ても回復しづらくなります。
まずは、体を“リラックスモード”に切り替えることから始めましょう。
難しいことは必要ありません。
今日からできることを、いくつか紹介します。
① 入浴は寝る90分前を目安に
ぬるめのお湯(38〜40度)に10〜15分ほど浸かると、
一時的に体温が上がります。
その後、体温がゆるやかに下がるタイミングで、
自然と眠気が訪れやすくなります。
入浴から約90分後が、
リラックスモードに入りやすい時間帯と言われています。
シャワーだけで済ませている場合は、
まずここを見直すだけでも変化を感じることがあります。
② 寝る前60分は“強い光”を避ける
スマートフォンやパソコンの光は、
脳を活動モードに保ちやすくします。
できれば寝る1時間前からは、
・画面を見る時間を減らす
・部屋の照明を少し落とす
だけでも十分です。
完璧を目指す必要はありません。
“少し暗くする”だけでも、神経は落ち着きやすくなります。
③ 呼吸をゆっくり整える
呼吸は、自律神経と直接つながっています。
おすすめは、
4秒で吸って、6秒でゆっくり吐く呼吸。
これを数分続けるだけで、
体はリラックスモードに切り替わりやすくなります。
特別な道具もいりません。
布団の中で、静かにできる方法です。
まずは神経を整える。
これだけで、
・寝つきがよくなる
・途中で目が覚めにくくなる
・朝の重さが軽くなる
と感じる人も少なくありません。
ただし――
これらを試しても、
朝の腰の重さや疲れが残る場合。
そこには、もう一つの要因が隠れている可能性があります。
神経と姿勢は、お互いに影響している
ここまで、神経の話をしてきました。
では、神経さえ整えばすべて解決するのでしょうか。
答えは、半分YESで、半分NOです。
① 神経が乱れると、姿勢も崩れやすい
神経が活動モードのままだと、
筋肉はゆるみにくくなります。
その状態で眠ると、
・寝返りが少なくなる
・同じ姿勢が続く
・一部の筋肉に負担が集中する
という変化が起こりやすくなります。
つまり、
神経の問題が、姿勢の問題につながります。
② 逆に、姿勢の問題が神経を邪魔することもある
ここが見落とされがちなポイントです。
たとえ神経を整えても、
・腰が沈み込みすぎている
・寝返りが物理的に打ちにくい
・同じ部位に圧がかかり続けている
こうした状態では、体は無意識に緊張を続けます。
体は「守ろう」として力を入れる。
その結果、神経も深く落ち着ききれないことがあります。
③ だから、片方だけでは足りない
神経だけ整えても、
体の支えが不十分なら回復は妨げられる。
姿勢だけ整えても、
神経が興奮したままでは深く休めない。
回復する睡眠設計には、
神経と姿勢の両方を整える視点が必要です。
睡眠は、
「神経」か「姿勢」か、どちらか一方の問題ではありません。
両方がかみ合ったとき、
はじめて本来の回復が起こります。
では、神経を整えても朝がつらい場合、
姿勢にはどんな問題が隠れているのでしょうか。
神経を整えても朝がつらい人へ
神経を整える工夫をしても、朝の腰の重さや疲れが残る場合は、体の“支え方”に問題がある可能性があります。
ここで考えたいのが、寝ているときの姿勢です。
① 沈み込みすぎていないか?
横になったとき、
・腰だけ深く沈んでいる
・背中が丸まっている
・仰向けがつらい
こうした感覚がある場合、背中から腰にかけての本来のゆるやかなカーブが保ちにくくなっているかもしれません。
沈み込みが強すぎると、寝返りも打ちにくくなります。
② 寝返りは“打てている”か?
寝返りは無意識に行われる動きです。
しかし、
・朝起きたとき、腰が特に重い
・いつも同じ姿勢で目が覚める
こうした状態が続いているなら、寝返りが十分に機能していない可能性があります。
寝返りが打てないと、首や肩、そして腰の同じ部分に圧がかかり続けます。
とくに腰は体の中心で体重を受けやすいため、朝の重さや違和感につながりやすい部位です。
③ 支持が足りないと、体は守ろうとする
体は、不安定な状態になると、無意識に筋肉を使って姿勢を保とうとします。
その結果、眠っているつもりでも、どこかに力が入り続けてしまうことがあります。
いくら神経を整える工夫をしても、体の支えが不十分なままでは、回復が妨げられることがあります。
神経を整えても朝がつらい場合、それは「体の支え方」に原因があるかもしれません。
まずは、自分の寝姿勢がどうなっているのかを知ることから始めましょう。
▶︎(寝姿勢チェック記事へ)
まとめ|回復する睡眠設計とは
睡眠は、ただ長く眠ればいいものではありません。
40代になると、
・深い睡眠は減り
・回復ホルモンは少しずつ減り
・日中の緊張は抜けにくくなります。
その結果、
「ちゃんと寝ているのに、疲れが抜けない」
という状態が起こりやすくなります。
だから必要なのは、
睡眠時間を増やすことではなく、
回復できる状態をつくること。
回復する睡眠設計には、
・神経を整えること
・体を正しく支えること
この2つの視点が欠かせません。
どちらか一方では足りない。
両方がかみ合ったとき、
はじめて本来の回復が起こります。
まずは、神経を整えることから。
それでも朝の重さが残るなら、
寝姿勢を見直してみる。
睡眠は「時間」の問題ではありません。
回復できるかどうかの構造の問題です。
設計すれば、体は変わります。

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